地域との支え合いの中で
多様な接点を生かしながら
誰一人取り残さない社会を実現

2024.03.29
にいかわ信用金庫

SDGs推進のきっかけを教えてください。

~創業100周年の記念事業が、SDGs推進を考えるきっかけに~

 

 にいかわ信用金庫は、おかげさまで2023年9月に創立100周年を迎えました。周年を迎えるにあたり、新たな100年に向け持続可能な社会に貢献できる地域金融機関を目指すため、SDGs宣言を行うこととし、実行委員会を設置しました。
 策定に際しては、富山県や自治体主催のセミナーに参加し、県内企業から先進事例を学び、当金庫において何ができるのか、何をゴールにするのか、検討を重ねてまいりました。
 当時の岸和雄理事長から「当金庫は、お客様に日頃のお取引を通じてSDGsを認知していただくこと、身近なところからSDGsに取組む姿勢を地域に発信していくことが役割」と訓示され、「金融包摂」「価値の共創」「郷土愛」という3つの取組方針を軸に、2020年12月に、にいかわ信用金庫としてのSDGs宣言を行いました。

お客様の課題を解決するための取り組みを重ねておられますね。

~地域のニーズを的確に把握し、困りごとを解決に導く~

 

 3つの取組方針がありますが、1つ目の「金融包摂」とは、一人でも多くのお客さまに金融サービスをお届けすることです。お客さまの本業や家計支援、資金繰り支援等を通じた伴走型支援で長期的かつ強固な関係づくりに取り組みました。
 当時はコロナ禍だったこともあり、困りごとを抱える企業や事業主が大勢おられました。企業や事業主の皆様への丁寧なヒアリングから「事業制理解シート」を作成し、販路拡大や経営改善、雇用対策、事業承継、M&A等の課題を掘り下げ、専門家を交えた伴走支援を行いました。個人のお客様には独自に作成した「ライフプランシート」を用い、資産運用や年金、相続などのお悩みをキャッチし、解決に注力してまいりました。また、社会のDX化が進む中、キャッシュレス取引やインターネットバンキング、非対面取引等の推進にも取り組みました。

 

 

 2つ目の「価値の共創」とは、当金庫が持つ地域との多様な接点を活かし、人・企業・情報をつなげて地域価値を高めるものです。豊かな知見を有する専門家や機関に繋げることで課題解決に取り組んで参りました。
 具体的な取組みとして中小企業診断士協会による経営相談および補助金申請支援や、魚津税務署を講師に招いてのe-Taxやインボイス制度の説明会を実施しています。販路拡大や売上増加を目的に、信金中央金庫からの専門家を交え、商品のブラッシュアップセミナーを開催し好評を得ています。今後も金庫で充分な支援ができない課題については、専門家や専門機関に繋げることでお客さまの課題解決に伴走してまいります。
 また、魚津市が進める行政のDX化に賛同し、市内の経済循環・活性化のために導入した電子地域通貨「ミラペイ」の普及を応援しています。金庫独自に利用者や取扱店へのアンケートを実施、集約して魚津市へ地域の声を届けるなど、利用促進の一助を担っています。現在、本店営業部と魚津駅前支店は、金融機関で唯一のミラペイのチャージ取扱店として利用していただいております。三井住友海上火災保険とも提携し、取引先企業のSDGs宣言を支援するサービスも行っており、サステナブルな経営をサポートしています。

SDGsの推進で地域との連携を、一層強化しておられますね。

~誰一人取り残さない、豊かな地域づくりに貢献する~

 

 3つめの「郷土愛」とは、より良い地域社会と美しい自然を未来に残すため、惜しみない努力をするもので、地元採用を旨とする当金庫は経営の礎としています。

 具体的な取組みとして、子育てや家事に追われフルタイムで働けずに貧困に陥りやすいシングルマザー向けに専用のフリーローン「シンママエール」を発売しました。担当を女性職員にした専用のホットラインを開設し、相談しやすい環境を整えるほか、社会福祉協議会と連携し「ひとり親家庭のライフプラン」セミナーも開催しております。
 18歳で成人となる高校生に出前授業を行い、ローンやクレジット、信用情報や金融トラブルなど、授業で教わらない金融や契約についてお話ししていることに加え、高齢者の振り込め詐欺を防ぐため、警察や防犯協会と連携して防犯の啓発活動や防犯訓練を実施しております。

 

 

 また、お客様へ進呈する感謝品を入れる袋は、バイオ素材配合のものに変更しておりますが、年金受給日のご来店プレゼントとして入善高校農業科の生徒が作った花鉢を、同校生徒が発案した飲む募金「RED」(赤い羽根共同募金の飲料水)を夏の年金受給日に進呈するなど、感謝の品は地元企業を中心に購入しています。これらの品を手渡しする際、お客さまと接する職員一人ひとりがSDGsの考え方を広めております。

 その他には、地元福祉施設「くろべ工房」、「工房あおの丘」の利用者が作ったクッキーの販売場所として、毎月一部の営業店ロビーを提供しています。来店客にも好評であり、販売活動を通じて地域住民と交流が障がい者の社会参加や施設の売上拡大につながっています。魚津蝶六町流しなど、地域の納涼祭のほか、マラソン大会、紅葉まつり、雪まつりなど、多くのイベントにも積極的に参加しています。

 こういった取組みを通じ、豊かな地域づくりのお手伝いを行っています。

 

今後に向けた意気込みを教えてください。

~地域にとって、なくてはならない存在~

 

 信用金庫の存在意義や成り立ちは、SDGsと親和性が高く、これまでも「地域密着」「Face to Face」を掲げて地域金融の一端を担ってきました。
 金庫訓である「報恩」「誠実」「融和」「健康」を基に、地域のさまざまなステークホルダーとのネットワークから新たな接点を生み出し、人や企業、情報を繋ぎ、支え合うという、地域金融機関としての大きな役割があります。
 地域を熟知する金融機関として、更に密着度を高め、お客さまの課題を常に念頭に置き、誰一人取り残さない社会の実現に向け、地域のSDGs醸成に取り組んでまいります。

にいかわ信用金庫
担当者
営業統括部
岩谷 英樹
事業所住所
富山県魚津市双葉町6番5号
地域
魚津市
業種
金融業・保険業
主な取組内容