限りある資源を循環利用。
事業活動を通して、社会課題の解決を目指す。

2023.03.22
北陸コカ・コーラボトリング株式会社

SDGs推進のきっかけを教えてください。

~地域の恵みに感謝し、環境保全にいち早く取り組む~

 

 1962年に創業した当社は、地域の豊かで良質な地下水の恩恵を受けて清涼飲料の製造と販売を行っています。長年にわたり感謝の気持ちを表しながら、責任を持って限りある資源を次世代へつなぐ役割があると考えてきました。環境保全にもいち早く取り組み、美化奉仕活動は1979年にスタートし、毎年グループ社員約1,200人が参加しています。南砺市利賀村や平地区での植林も2005年から続けています。
 当社は日本コカ・コーラ株式会社と国内5社のボトリング会社からなるコカ・コーラシステムに属しており、強いパートナーシップのもと事業活動に取り組んでいます。サスティナビリティの推進においても、日本のコカ・コーラシステム全体で推進し、2020年に「多様性の尊重」「地域社会」「資源」の3つのプラットフォームと9つの重点課題を特定しました。富山県SDGs宣言をしたことで、富山県はもちろん、営業地域にあたる石川県や福井県、長野県の小学校や中学校、地方団体などで、リサイクルの出前授業をする機会が増えています。事業活動を通して社会課題の解決を目指しながら、SDGs達成に貢献しています。

 

サスティナブル素材への切替を進めていらっしゃいますね。

~リサイクル啓発活動をしながら、PETボトルの水平リサイクル推進~

 

 コカ・コーラシステムでは、限りある資源の持続可能な利用を推進するために「容器の2030年ビジョン」を定め、「設計・回収・パートナー」の3つの柱からなる活動に取り組み、容器由来の廃棄物削減と日本国内におけるプラスチック資源の循環利用の促進に貢献しています。当社も「ボトルtoボトル(水平リサイクル)」の推進に力を入れており、富山県SDGs宣言の目標1も「2030年までに、サスティナブル素材に100%切替え、新たな石油由来の原料を使用しない容器の完全導入」としました。「コカ・コーラ」「い・ろ・は・す」は既に100%リサイクルPETボトルを使用していて、砺波工場で製造している清涼飲料のサスティナブルなPETボトル容器の使用率は50%を超えています。営業地域の自動販売機の側にリサイクルボックスを設置しており、販売したPETボトルの積極的な回収も進めています。リサイクル啓発活動も手伝って、回収率は年々上昇しています。
 PETボトルのリサイクルは、グループ会社のGRNエコサイクル株式会社(石川県)で2002年から続けてきました。再資源化によってプリフォーム(PETボトルの原型)やたまご梱包のパック、衣類にもリサイクルされます。「容器の2030年ビジョン」達成に向けては再資源化をさらに加速する必要があり、産業廃棄物中間処理業者(長野県)との連携・業務委託で、新たなリサイクルシステムも構築しました。
 社内にも家庭から排出したPET容器のリサイクルボックスを設置しており、従業員やOBが利用しています。当社は業務で資源循環を考える機会が多く、社内のサスティナビリティ意識も醸成してきました。

 

地域とのつながりを、とても大切にしていらっしゃいますね。

~長年にわたり環境保全、地域支援活動を実施~

 

 目標2は「地域社会とのつながりを大切にし、持続可能な社会づくりに貢献し続ける」です。稲垣晴彦会長の発案で、2005年より庄川水系の山間地域(南砺市)で、環境保全活動を実施しています。「うるおいの森づくり」と名付けられた活動により、2022年までに14,981本の木が植えられました。下草刈りなど年3回の活動には、従業員やOB、地元企業も参加しています。
 災害協定は県内のすべての自治体と締結しており、災害時には自動販売機内の飲料を無料で取り出すことが可能になるとともに、自動販売機上部の電光掲示板に災害・避難の情報が表示されます。富山市、砺波市、南砺市には滞留在庫を活用した「SDGs自動販売機」を設置し、フードロス削減にも取り組んでいます。2つの奨学金や地域スポーツへの支援など、ほかにも地域に向けた活動があります。

 

一人ひとりの従業員の働き方を尊重していらっしゃいますね。

~多様な人材が活躍するために、社内制度も改訂~

 

 目標3は「ダイバーシティー・インクルージョン、多様な社員がそれぞれの能力を十分に発揮できる職場環境の実現、障がい者への支援」です。多様性尊重の取り組みのひとつとして、同性パートナーでも配偶者への対応と等しくなるよう福利厚生及び就業規則の改訂が行われました。イベント等で「LGBTQ+アライのためのハンドブック」を配布し、LGBTQ+当事者をサポートし、応援する取組みを行っています。
 女性社員の活躍を推進しており、リーダーやトップマネジメント研修への参加を後押ししています。働き方改革を推進し、男性育児休業の取得率は格段に向上しました。男女ともに仕事と育児を両立しやすいように、面談の機会を設けるなど不安や悩みを解決するためのメンタルフォローも実施します。

今後への意気込みを聞かせてください。

~継続を力に、地域で選ばれる企業であり続ける~

 

 以前まではリサイクル原料を使うことや、植林活動をしていることと、SDGsが直接結びつかなかった従業員もいましたが、富山県SDGs宣言などで活動を周知したことで、社内全体のサスティナビリティへの意識が高まり、理解も深まりました。当社は環境保全も地域支援も「継続」を大切に考えています。事業活動を通して社会課題を解決し、地域の方々に選ばれる企業であり続けることで、当社の持続可能な未来が訪れると考えています。

北陸コカ・コーラボトリング株式会社
担当者
経営サポート推進室 広報PR課
中条 睦
事業所住所
富山県高岡市内島3550
地域
高岡市
業種
卸売業・小売業
主な取組内容