SDGs推進のきっかけを教えてください。
〜部署横断の委員会を立ち上げ、社員一人ひとりが考える〜

当社がSDGs宣言の策定を行ったのは、富山県がSDGsの推進に本格的に取り組み始めた時期でした。県内の多くの企業や団体が次々と「富山県SDGs宣言」を行うなかで、私たちも社会課題解決に貢献したいという思いから、まずはSDGsを学ぶことからスタートしました。県の専用ウェブサイトに掲載されている各社の取り組みを参考にしつつ、外部講師からも指導をいただき、社内のSDGs委員会を中心に宣言内容を検討しました。
当社は「防災」「セキュリティ」「通信・モバイル」という縦割りの事業構成で、それまでは部署間の交流がほとんどありませんでしたが、そのとき初めて部署横断型のSDGs委員会を立ち上げ、垣根を越えて意見を出し合える体制を整えました。委員会に所属していない社員も、SDGsに関連する取り組みを箇条書きで提出するなど、全社員が主体的に参加しました。トップダウンではなく、社員一人ひとりが考えて意見を持ち寄った宣言なので、社内への浸透も非常にスムーズでした。
SDGs委員会の立ち上げをきっかけに、部署横断の業務改善委員会やブランディング委員会も発足しました。創立50周年を迎えるにあたり、現在は50周年記念委員会の活動も進んでいます。SDGsに関する一連の取り組みは、社内の風通しをよくし、コミュニケーションを育む大きなきっかけになったと考えています。
事業活動が、社会課題の解決に直結しておられますね。
〜防災・防犯の取り組みで、地域安全と未来を守る〜

富山県SDGs宣言の目標1は「ゼロ火災・ゼロ犯罪で人・建物・財産を守ります」と掲げています。当社は創業以来50年間、消火器や火災報知器、防火設備などの消防設備全般の定期点検、さらには消防訓練の実施を通して、火災の発生率ゼロを目指してきました。消防訓練の指導や立ち会いでは、避難場所・避難経路の確認や訓練内容をサポート、非常時を想定した実践的な訓練を支援しています。これらの積み重ねにより、地域の安全確保に貢献しています。
セキュリティ事業では、自治体や県警との連携を図り、地域の治安向上に寄与しています。北陸に本社を置き全国展開する企業や店舗、また個人宅など幅広い方々に対し、防犯力を高めるサービスを提供し、防災と防犯の両面から「人・建物・財産」を守る役割を担っています。ここで重要な役目を果たしているのが、防犯カメラや監視カメラです。多様なニーズがある中で、設置することで犯罪の抑止力を高めるだけでなく、AI機能を搭載した監視システムによって、離れた場所で発生した異常事態をリアルタイムで把握し、迅速な対応につなげられます。こうした取り組みで、安心・安全に暮らし続けられるまちの基盤を支えています。
現代の企業活動に必要不可欠なセキュリティ分野を担っておられますね。
〜要望に柔軟に応じながら、複数領域を一括してサポート〜

目標2は「多様な困った!を幅広いワンストップサービスで解決します」としています。近年の社会変容により、企業や地域が抱える課題はますます多様化しています。当社では、企業活動に欠かせない弱電インフラの分野において、防災設備、セキュリティ、通信・携帯モバイルといった複数の領域を一括で提案し、課題解決を総合的に支援しています。特に最近はランサムウェア被害が拡大し、どの企業にとっても無視できないリスクとなっています。アンチウイルス、侵入検知、不審メールのブロックなど、複数の対策を組み合わせたネットワークセキュリティの構築が不可欠です。サイバー攻撃によってデータが破損・流出すると、企業の信頼を大きく損なう恐れがあります。当社では、企業ごとの事情や要望に応じて柔軟に対応し、継続的なアフターサポートも行うことで、安全で安心な企業運営を支えています。
また、当社はau携帯電話の正規代理店であり、特に法人向け携帯では、セキュリティ強化に重点を置いたきめ細かなサービスを提供しています。リモートワークやワーケーションなど働き方の多様化や、国内外の通信環境が求められる中で、幅広いプランや機能をご提案することで、企業の効率的な働き方の実現やDX推進にも貢献しています。
社屋がZEB認定を受けておられますね。
〜環境に配慮した、避難場所にもなる新社屋〜

目標3は「ZEB認定の新社屋で地域住民の安心・安全を守ります」としました。2022年に新社屋へ移転したのですが、移転計画を立てているころはZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)への関心が高まり始めた時期でもありました。そこで当社も、地球環境への配慮を重視し、屋根に太陽光パネルを設置して、社屋で使用する電力のほぼ100%を自家発電でまかなえる仕組みを導入しました。建物全体の空調も、効率よくコントロールできるようになっています。また停電が発生した際には、会議室と休憩室で太陽光発電による非常用コンセントが利用できるため、非常時でも最低限の電力を確保できます。
新社屋は小学校に隣接した住宅地に位置し、災害時には地域の避難場所としても機能するよう整備しています。各種端末やアダプター、水、食料、毛布などを備蓄し、地域の皆さまに安心して利用いただける環境を整えています。能登半島地震の際には、地域の方々が速やかに当社に避難されました。今後も、地域住民の安心と安全を守る拠点としての役割を果たしていきます。
採用に関する問い合わせも増えているそうですね。
〜SDGs宣言の策定が、会社を変えるきっかけになる〜

SDGs宣言の策定と新社屋への移転を同時期に進めたことで、社内ではフリーアドレス制を導入しています。スタッフ同士のコミュニケーションが活発になり、社内の風通しがよくなりました。また当社は、移転前まで新卒採用を実施していませんでしたが、ZEBの新社屋が学生の関心を集めるきっかけとなり、インターンシップや会社見学の問い合わせが増加しました。こうした動きが新卒採用にもつながっています。
地域との関係づくりにも力を入れており、社用車に防犯ステッカーを貼付し、防犯対策の意識向上に努めているほか、本社、金沢営業所周辺において、年3回の清掃活動を行い、地域とのコミュニケーションを広げています。これまでの取り組みをさらに発展させ、今後もSDGsの推進を深化させていきたいと考えています。
村山 博行








